【実践6ステップ】理念浸透サーベイで組織を変える方法

【実践6ステップ】理念浸透サーベイで組織を変える方法
理念浸透

「理念は掲げている。研修もやっている。でも、社員の行動が変わらない」。

そう感じている経営層は多いのではないでしょうか。理念を発信することと、理念が組織に根づくことは、似て非なるものです。どれだけ美しい言葉を壁に貼っても、社員がその意味を腹落ちさせていなければ、日々の判断や行動には反映されません。

そこで1つの解決アプローチが、理念浸透に関するサーベイの実施です。本記事では、理念浸透サーベイを通じて改善策を実行するまでの具体的な実践ステップと、サーベイ項目の具体例まで解説します。

【具体例付き】理念浸透のサーベイ実践6ステップ

理念浸透サーベイを「やってみた」で終わらせず、組織改善の起点にするためには、設計から実行、改善まで一貫したプロセスが欠かせません。

ここでは、以下の6ステップに沿って理念浸透サーベイの実践方法をご紹介します。

ステップ①サーベイの目的と仮説を明確化する

まずは、サーベイを始める前に、「何のために測るのか」と「現状どこに課題があると考えているか」の目的と仮説を明確にしましょう。目的が曖昧なままアンケートを設計すると、質問の焦点がぼやけてしまい、サーベイ結果をどう活かすかあとで判断が難しくなるからです。

たとえば、「理念の認知率が低いのか、理解はしているが共感できていないのか、行動にまで落ちていないのか」では、サーベイで深掘りする項目は異なります。現場では、よく「理念が浸透していない」という漠然とした課題感だけを持ったまま調査に入り、結果を見ても「やっぱり浸透していなかった」という感想しか得られないケースを見てきました。

一方で、「入社3年以内の社員は理念への共感度が低いのではないか」という仮説を立てたうえでサーベイの質問項目を設計すると、結果から仮説が正しかったのか検証できるため、より本質的な課題を特定するための仮説を立てることができるようになります。

このように、仮説は具体的であればあるほどサーベイの解像度が上がるので、まずは目的を明確にしましょう。

ステップ②サーベイ項目を設計する

目的と仮説が固まったら、次はサーベイ項目の設計です。理念浸透を測るサーベイでよくある失敗として、「知っていますか」「大切だと思いますか」という質問に終始してしまい、表面的な数値しか得られないケースがあります。そこで、アイデアとして、「認知度」「理解度」「共感度」「行動実践度」の4層に分けて質問を設計するのも有用でしょう。後ほど詳しくご紹介します。

また、質問形式は、5段階評価と自由記述を組み合わせると効果的です。たとえば定量データで傾向を掴み、定性データで「なぜそう感じるのか」を深掘りする設計にすると、より深く社員に対する理解が深まります。ただし、項目数は多ければいいわけではなく、設問が20問を超えてくると回答の質が下がる傾向がありますので、集中して答えてもらえる10〜15問程度に絞るといいでしょう。

ステップ③実施形式と回答環境を整える

サーベイの実施形式と回答環境についても同時に考えておきましょう。どれだけ設問が練られていても、記名式にすると本人が本音で回答しにくくなり、「正直に答えると評価に影響するかもしれない」と回答にバイアスがかかってしまうリスクがあります。そうなっては、サーベイ結果を事実として活用することができなくなるので、匿名式が有効です。

また実施形式については、オンラインツールを活用すれば効率よく集計できますし、回答のしやすさも担保できます。実施前に「なぜこのサーベイをやるのか」を経営側から説明しておくと、社員の回答意欲と回答内容の真剣度も高まりますのでおすすめです。

ステップ④サーベイを実施し結果を集計する

そしてサーベイを実施した後に、回答結果を集計していきます。集計段階では、全体集計だけでなく、部門別・年次別・雇用形態別などのクロス集計を行うことで、より具体的な課題がどこにあるのか見えやすくなります。

「全体では70点でも、現場部門は50点、コーポレート部門は85点」というようなセグメント別に点数差が出ることは珍しくありません。したがって、集計の仕方でセグメント間の差分を発見することも、本質的な課題の設定と解決方法へつなげる意味で重要な情報になります。

集計ツールは、Excelやスプレッドシートのような表計算ソフトや、可視化しやすいBIツールでも構いません。集計したいデータが正しく集計できるかの視点でツールを選択しましょう。

ステップ⑤結果を分析し課題を特定する

集計結果が出たら、どこにボトルネックがあるか分析していきます。特に、先述した「認知度」「理解度」「共感度」「行動実践度」それぞれどの層で理想とギャップがあるのかを明確にするといいでしょう。

たとえば、それぞれの層で課題がある場合は以下のように原因を仮説できます。

  • 認知率がそもそも低い       =>理念に関する発信の量や頻度が少ない
  • 認知はされているのに共感度が低い =>理念が具体的でない、または伝え方が悪い
  • 共感はしているが行動が変わらない =>評価制度や日常のマネジメントに、理念に関する項目を連動できてない

また、自由記述欄のコメントを読み込むと、数値だけでは見えない本質的な原因を掴めることがあります。分析は経営層だけで抱え込まず、現場のマネジャーも巻き込むと、課題がより具体的になるのでおすすめです。

ステップ⑥改善施策を策定し実行する

分析で課題が特定できたら、次は改善施策を策定して実行に移していきます。ただし、「問題が見つかったから何か研修をやろう」と安易にサービス導入へ飛びつかないことです。施策を策定する際は、短期・中期・長期の時間軸に分けて設計するといいでしょう。

たとえば、短期では理念を日常業務でどう使うかの対話機会を増やし、中期では理念に基づく評価項目の見直しを行い、長期では採用基準や入社後オンボーディングを再設計する。このように課題層別にアプローチを考え実行するのが効果的です。

改善施策を実行した後は、次回のサーベイで新しく立てた仮説を検証して変化を測定する。この仮説検証のサイクルを回し続けることが、サーベイを活用した理念浸透の適切な方法です。

 

理念浸透サーベイに使えるアンケート4選

理念浸透サーベイの実践方法を整理したところで、サーベイ項目で「何を聞けばいいのか」という設問設計に悩む方も多いと思います。

先述した通り、理念の浸透度は「認知」「理解」「共感」「行動」の4つの層に分けて測定することが重要と述べました。以下では、層ごとに具体的な設問の方向性と、設計上の留意点を整理します。

項目①理念の認知度を測る質問

認知度とは、理念の言葉を「知っているかどうか」です。一見シンプルに思えますが、「知っている」という状態の定義が曖昧だと、測定値が実態からずれます。「うちの理念は聞いたことがある」と「すらすら言える」では、認知のレベルとして大きく異なるからです。

具体的な設問例としては、「当社の理念・ミッション・バリューをあなた自身の言葉で説明できますか」という形で5段階評価を求める方法が有効です。自由記述で実際に書いてもらう形式にすると、より正確に認知度を把握できます。

よくある失敗として、「当社の理念を知っていますか(はい・いいえ)」という二択にしてしまい、「はい」が90%でも実態が伴っていない、というケースがあります。「入社時に一度聞いたことがある」の程度でも、「はい」に入ってしまいます。認知度の設問は、「言葉として再現できるか」で問う設計にするといいでしょう。

項目②理念の理解度を測る質問

理解度は、理念の意味や背景を正しく把握しているかを測るものです。認知(知っている)と理解(意味が分かる)は別物であり、この層を飛ばしてしまうと、社員が理念の言葉を使いながらも解釈がバラバラになってしまいます。

たとえば、現場では実際に「顧客第一」という言葉が存在しても、ある社員にとっては「顧客の要望を何でも聞く」と解釈されたり、また別の社員には「長期的に顧客価値を生み出す」と解釈されているケースを目にすることがあります。

したがって、「理念が掲げられている背景・意図を理解していますか」という評価項目に加え、「この理念が生まれた理由を、自分なりに説明できますか」という項目を組み合わせると有用でしょう。また、具体的な場面を提示して「このケースでは、理念に照らしてどちらの選択が適切だと思いますか」という状況判断型の設問をつくれると、理解の深さをより正確に測れます。

項目③理念への共感度を測る質問

共感度は、理念を「自分ごとに感じているか」を測るものです。理解はしていても「会社が言っているだけで、自分には関係ない」と感じていては、行動を変えることはできません。共感度は、論理ではなく感情の領域に近い概念であるため、施策の効果が出るまでに時間がかかるからです。

設問としては、「この理念は、あなたが働くうえで大切にしたい価値観と一致していますか」という問いや、「この理念の実現に向けて自分が貢献したいと感じていますか」という問いが有効です。逆に、「この理念は重要だと思いますか」という問いは、マイナス評価しにくい回答バイアスの影響を受けやすく、実態より高い数値が出る傾向があります。

共感度の測定では、自由記述欄に「理念に対して感じていることを率直にお聞かせください」という問いを設けると、共感度に関する深い情報が得られるでしょう。このように数値だけで判断せず、個別のコメントを1つ1つ丁寧に拾うことも大切です。

項目④理念に基づく行動実践度を測る質問

行動実践度は、「理念が日々の判断や行動に実際に反映されているか」を測るものです。行動が伴わなければ、理念浸透の取り組み自体がビジネス成果にはつながりません。だからこそ、行動実践度は特に重要な設問領域になります。

具体的には、「日常業務の中で理念に照らして判断したり、行動を選んだりすることがありますか」という行動頻度を問う設問や、「上司や同僚が理念を意識した言動を取っていると感じますか」という周囲の観察を問う設問が有用です。自己評価の設問だけでなく、周囲の行動観察を問うことで、組織全体のカルチャーとしての定着度を測ることができます。

一方で、「理念に基づいて行動するうえで、障壁になっていることはありますか」という自由記述を設けると、「評価制度と理念が連動していない」「上司が理念と反する言動をしている」といった、改善対象になる情報が得られることがあります。自由記述内容からさらに掘り下げて、「何が理念浸透を邪魔しているか」まで掘り下げることが重要です。

理念浸透に成功した企業の取り組み事例6選

以上が、理念浸透サーベイの実践方法と具体的な質問項目についてでした。この「認知」「理解」「共感」「行動」の4層を丁寧に設計したサーベイを継続している企業は、社員の自律的な判断力向上や、マネジメントのコスト低下など、ビジネス面にも効果が出ているようです。

では、実際の企業がどのようにサーベイ結果を活用し、組織変容につなげてきたか。その具体的なサーベイへの取り組みについてはこちらの記事でご紹介しています。ぜひご参考ください。

理念浸透に成功した中小企業の事例6選 ~失敗パターンと取り組みポイントも解説~

中小企業向け|理念浸透に活用できるツール6選

取り組み事例から学べることも多いのですが、まずは小さなスタートでもいいので現場で実行していくことです。実際に理念浸透サーベイを実施して、集計結果の分析を行い改善につなげていくには、理念が浸透する土壌を社内につくることです。

以下に、理念浸透の取り組みに役立つツールをご紹介していますので、ぜひご参考のうえ検討してみてください。

理念浸透ツール6選|中小企業に最適な選び方と活用のポイント

継続的なサーベイで理念浸透を促進させよう

理念浸透サーベイは、一度やれば終わりではありません。組織の状態は時間とともに変化しますし、理念への共感度は現場の採用・育成・マネジメントのあり方に大きく左右されます。半期や年次でサーベイを繰り返し、結果を施策に反映し、また測る。このサイクルを回し続けることで、理念をただの「言葉」から「文化」へと昇華させ浸透させる方法だと考えています。

最初から完璧なサーベイを目指す必要はありません。まずは4層(認知・理解・共感・行動)を意識した10〜15問のアンケートを設計し、全社または一部の部門で試験的に実施することから始めてみましょう。

この記事が少しでも理念浸透のサーベイ実施に役立っていれば幸いです。

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